バリアフリー・自立支援

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  米国のADA秘話・暗闇のスペシャリスト おおくまゆきこ    2016.10.6.  
  「バリアフリー」って知ってますか?                 白木 力
  熊本障害フォーラム                        2016.7.23.  
  住宅改造制度についての相談者の声              2015.5.  

米国のADA秘話・暗闇のスペシャリスト おおくまゆきこ    2016.10.6.    >>INDEX

◆◇10.10(祝)超早朝ですが「“みえない”をみる 〜暗闇のスペシャリストたち〜」◆
真っ暗闇の中、“感覚”を頼りに進んでいく体験ができる、ダイアログ・イン・ザ・ダーク。
会社での肩書きや、見た目の良しあしなど、様々なしがらみから解放してくれる場として注
目の、エンターテイメント施設です。公開講義で紹介していただいた http://www.yuki-enishi.com/yuki/yuki-160630-1.pdf
とたん、聴講のみなさんが魅了されてしまいました。
そこで暗闇の案内をしている、「アテンド」と呼ばれる視覚障害者たち。
“暗闇のスペシャリスト”に光をあてます。
リーダーの檜山晃さんは、目がみえず就職ができず、長い間引きこもっていました。
そんななか始めた、アテンドの仕事。案内した子供の一言や、先輩のアドバイスから、自分
ならではの強みを見い出し、先日のパラリンピックの閉会式にも登場。
NHKEテレの番組が、NHK総合テレビで再放送されます。タイトルは、
「ブレイクスルーFile.222“みえない”をみる―暗闇のスペシャリストたち
NHK総合テレビで10月10日(月・祝)早朝4:30〜5:00、5回目の放送です。 http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2015-01/19.html

◆◇障害のあるアメリカ人法(ADA)成立の立役者の感動的なユーチューブ◆
1990.7.16の朝日新聞に、「障害をもつ米国人法に学ぶ」という社説を書きました。
http://www.yuki-enishi.com/i-living/i-living-05.pdf
その一節は、認知症の人を精神病院の経営に役立てようとしているいまの日本の政治、行政、経営者の連携に生き写しです。、
「出費を強いられるバス会社や電話会社がADA法案を骨抜きにしようと議会に働きかけ、
政府部内からも反対の声が上がった」ただ、ここからが日本とちがいます。
「害をもつ人々や支援者たちや支援者たちは手紙を書き、議会に座り込んで成立にこぎつけた」
「法案提出者の一人、トム・ハーキン上院議員は、採決を前にして「隔離と不平等の時代は終わった」
と、手話で演説した。」
そのハーキンさんが米国大使館の招きで来日するというので駆けつけ、社説のエッセンスと裏話を集めた
『福祉が変わる医療が変わる−日本を変えようとした70の社説+α』(ぶどう社)
http://www.budousha.co.jp/booklist/book/fukuhen.htm
をお渡ししました。日本語は読めないハーキンさんですが社説の日付みて、驚きと歓迎の顔になり「研究所に飾ります」。
アメリカの新聞と変わらぬ日付だったからのようです。
そして、当日の、実に素晴らしい講演のユーチューブをおくっていただきましたのでお裾分けします。タイトルは、
「障害のあるアメリカ人法26周年:その功績とこれからの課題」https://www.youtube.com/watch?v=8rUy3acCMUQ
耳き聴こえない兄をもつハーキンさんがあらゆる障害者差別に目覚めていって道筋、法案成立の裏話、障害者の権利条約批准と大統領選挙の切っても切れない関係など
興味深い話が次々と飛び出します。日本語字幕と手話通訳つきです。

「バリアフリー」って知ってますか?                 白木 力  >>INDEX

専門的に、バリアフリーは「障壁除去」と表現したりしますが、もっと分かりやすく表現すると、「垣根をなくす」とも言えるでしょう。

我々、人間が生きていく中で発生する壁は、様々です。内容は複雑で、年寄りであるとか子供であるとかの世代の違い、男と女という性による違い、病気の有る無し、貧富の差、仕事の有る無し、民族の違い、肌の色の違い、国籍の違いや、国内の方言も含めて言語が違うなどなど、毎日様々の制限を受けながら私たちは生活しています。
この制限を相互の壁と考えるとき、まさにこれが「バリアー」と言えるのではないでしょうか。

考えてみると生きている中でバリアのない生活などないことに気付かされます。
一方で、様々の制限を受け、人が老化していくなかで、その制限が変化しているのを我々の多くは見過ごちがちです。

北欧で発達したノーマリゼーション(障害者やお年寄りの生活条件を障害を持たない人たちの条件に限りなく近づける)の発想は、この制限を我々に明確に意識させてくれた人類の知恵でした。
その結果「人は生まれながらにして弱者である」と言う言葉で代表される、ミニマムデザイン(弱い立場を養護するデザインの思想を強力に支持する考え方が、ようやく社会的にも認められるようになってきました。
弱者である人は自然体、自然を良く理解しています。
自然とともに共生することへの知恵を彼等から学ぶ点が多くあります。
自然界は全てが多様です。同じものは一つとしてありません。
互いの違いを知ること、確認することで、それまで在ると誤解していた壁が無くなります。それは、互いの理解の上に関係が発展します。これが本来のバリアフリーではないでしょうか。

建物とかモノづくりなどのハードの整備、システムや制度などソフトの整備、いずれにも人が使うという点で「バリア」を感じないものはありません。
これら人と人との関係の中にある違い、これを認め合い改善していく社会こそ「バリアフリーな社会」だと言えるでしょう。

熊本障害フォーラム                        2016.7.23.    >>INDEX

熊本障害フォーラム2016年度 第1回全体会   2016.7.23. 
2016年7月20日(水)18時30分〜20時00分  熊本県民交流会館パレア 会議室3

1.熊本障害フォーラム総会について
7月30日(土) 14時00分〜16時00分 (受付:13時30分)
熊本県民交流会館パレア会議室2


2.震災対応についての熊本県及び熊本市との意見交換会について
7月28日(木) 10時00分〜11時30分
ヨネザワ熊本県庁前ビル4階 応接室

参加予定団体(敬称略)
全国脊髄損傷者連合会熊本県支部
きょうされん熊本支部
熊本県視覚障がい者福祉協会
熊本県発達障害当事者会リルビット
熊本市手をつなぐ育成会
熊本県精神障害者福祉連合会
熊本盲ろう者夢の会
ヒューマンネットワーク熊本


3.仮設住宅の見学報告
バリアフリーデザイン研究会 小椋さん
・段差などが多く車いすだと大変なように感じた。

リルビット山田さん
・発達障害の場合音へのストレスが多い。
・世帯が繋がっているため隣の音などでストレスを感じる心配がある。防音のための道具などを福祉用具として給付してもらえるようにしてほしい。

きょうされん篠原さん
・ただプレハブにスロープがついているだけで段差だらけ。
・3Kの家についてはとても入りづらい形になっていた。
・近くまで車で入れるように配慮するとのことだが、実際住めるとは思えない。
・物を置いた場合車いすでは動けないため、車いすを想定しているつくりではない。

ヒューマンネットワーク熊本平野さん
・阪神淡路や東北の震災と同じ過ちを繰り返しているため仮設住宅の進歩がないと感じた。
・こちらから具体的な案を提示して国に要望する必要がある。

被災地障害者センターくまもと東さん
・障害者支援課と話していたが話が進まないため、建築課とも話した。
・益城町はスロープの傾斜は問題ないが、中に物を置いたら動きづらいように感じた。
・トイレについては段差があり、何とか中に入っても狭いため介助者は入ることが出来ない。
・お風呂についても非常に狭く二人介護は無理がある。
・その他の仮設住宅についても見学に行きましたが、基本的なつくりは変わらず、業者による誤差しかない。木造の方が改造しやすいが、いくらでも改造できるわけではないため、車いすを想定した仮設住宅とは言えない。
・歩行困難者についても、狭い上に段差があり、危険を感じた。また、住宅によっては近所との交流がしづらく、関係を作りづらい形態になっていた。
・スロープで上がった先の踊り場を隣の世帯まで伸ばす形で広くとれば車いすの方以外も助かる面がある。(押し車を使っている高齢の方や、ベビーカーを使っている家庭など)
・西原のほうに入居された車いすの方は、トイレが使えず、コンビニにトイレにいっている。お風呂については顔だけお風呂に入れて頭を洗ってもらっている。
・仮設住宅のニーズ調査をするように要望をしている。
・改造については既に入った人については、車いす用のトイレとお風呂を他で建設することか、家ごとバリアフリーなものを新たに作ることを提案している。
・KDFとしてすべての仮設住宅を見学に行った方が良いのではないかと感じる。
・コミュニティスペースについても聴覚の方がコミュニケーションを取れるように通訳派遣をすべきではないだろうか。

視覚障害者福祉協会 茂村さん
・点字ブロックにも仮設の点字ブロックのようなものがあるため、入口から目印になるものを設置していただくことや、弱視の方に分かりやすいように各家のアルファベット表記を大きく載せてほしい。
・空中にでっぱっているものがあると顔をぶつける危険等があるため、でっぱっている危険な場所がないかを心配している。
・視覚障害の場合慣れていないところに行くと、それまで歩くことが出来ていた人でも、1人で出歩くことが出来なくなる。

ろう者福祉協会 松永さん
・生まれつきのろう者の方、中途で聴力を無くした方、高齢で聴力が衰えた方で違いがあります。それぞれにどのようなコミュニケーションが合っているか違う。手話が分かる方、要約筆記を利用される方、補聴器を使われる方等、様々です。情報保障をしたいですが、コミュニティセンターに派遣事業で派遣する権限を持っていません。行政に責任を持って担ってほしい。


4.これからの熊本障害フォーラムとしての活動について

被災地障害者センターくまもとの現状について
熊本市が9000人を対象に状況確認をしたが、本来42000人の手帳所持者がいるため、市のお知らせとして市の手帳所持者にチラシを送った。多い時は新しい人だけで1日10件の電話がある。人手がとにかく足りず、一日5組程度しか派遣をできないため、件数が溜まっている。
個別訪問については障害種別に合わせて連携をしてほしい。直接支援に聴覚の方なら、ろう協や難聴協、発達の方ならリルビットさんなど協力してもらえたらと思う。


5.その他
・熊本障害フォーラム
KDFのこれからの取り組み方針ですが、今回の地震で良い面もあれば悪い面もあり、満足したことも不満に感じたことがあったと思います。行政は障害者を見落としているため、そうさせないために取り組む必要があると感じます。
国を動かしていきたいと思います。

・被災地障害者センターくまもとから
助成金について
木口福祉財団が二次募集をしているため、必要な団体は被災地障害者センターくまもとまで申請書をご提出ください。8月10日締め切りです。
木口福祉財団の被災地復興助成金については8月4日までに申請をお願いします。

・視覚障がい者福祉協会から
視覚障がいの方に音声時計を配布しております。必要な方はご連絡ください。

・シェアハートさんから
発達障害の方で語り合う仲間が欲しい等の話が合ったら、相談をされた方にシェアハートやリルビットのような当事者会を紹介してほしい。

・ヒューマンネットワーク熊本
8月20日(土) 14時00分〜16時00分
震災に関するシンポジウムを行います。


木口財団 被災地復興助成公募

木口財団 2次募集


住宅改造制度についての相談者の声              2015.5.    >>INDEX

住宅改造制度についての相談者の声について
            熊本市障がい者相談支援センター青空 
            相談支援専門委員 渡邉大輔 

青空では、年間に平均4〜5件の住宅改造助成金を使っての自宅改修の相談があっています。最近のご相談者さんから次のようなご意見が出ています。

Q1.早く改修を進めたいのだが、手続きが煩雑で思うように進まない。
    もっと早くならないのだろうか?
出来るだけ急ぎたいとのご要望が多い中、6か月以上かかるケースも出ています。ご相談の方は緊急性のある場合もあり、特に退院後の自宅の環境整備を急がなければならないケースに対応することが難しいように思います。改修プランの練り上げに時間が掛かるのは当然ですが、窓口での相談から相談支援事業所への繋ぎ、専門機関の紹介や業者選定と一連の流れをスムーズに行うためには、各関係機関共通の対応の一本化と綿密な連携が必要になります。

Q2.改修の打合せをして何度も内容を打ち合わせているのに、その後のリフォーム
    ヘルパー派遣で改修プランをまたも再検討することになった。
    こちらは専門的なことは分らないので、しっかりしたプランを提案して
    もらわないと決断ができない。
改修プラン作りは情報提供を行い、ご相談の方のニーズを整理して行くことで積み上がります。限られた予算の中でプランのメリット・デメリットを把握して決断されます。専門機関での情報提供はできるだけ意見をとりまとめた上で提案して行くことが出来れば、改修プランの決定を早めることが出来ます。

Q3.申請書式の図面を書いてくれる業者がなく、なじみの業者に依頼することが
    出来なかった。費用負担が思ったよりも高くなってしまった。
改修工事の担当業者は、ご相談の方との関係性がある業者さんの方が、改修プラン作りをスムーズにまとめておられるようです。専門性も重要ですが、先ず、業者さんが依頼者との間に信頼関係を築くことが出来なければ、改修プランは決まりません。
「思ったよりも高くなった。」という方も多く、どこの業者さんでも参加できる仕組みが期待されています。

Q4.退院したくても、家にバリアが多いために自宅へ退院出来ない患者さんが
    使える制度はないだろうか。どこに相談したらよいだろうか?
病院から帰宅や地域移行には、環境整備が必要なケースが多いのですが、自宅改修が退院前に間に合わないのが現状です。特に下肢に後遺症が残る方の場合、「家の出入りが出来ない。入浴が出来ない。」と規模の大きな改修が必要になってきます。患者さんの退院見込みが立ってから1ヶ月くらいで改修の対応が出来れば、退院後自宅に帰ることが出来ます。現状は介護保険若しくは日常生活用給付での改修で対応するケースがほとんどですが、対象制限があることや上限額が20万円であることで、使うことが出来ないことも少なくありません。また、行政窓口でのご相談は複数の制度を検討して行くため、個別相談が上手く進まないこともあるようです。相談内容と利用制度次第で関わる専門機関が変わってきますので、窓口での対応の方法も今後の検討課題になると思います。

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